2006/3/22 (水)
iyoちゃんから、とてもよい本を貸してもらいました。
タイトル:
びんぼう神様さま
すこぶる貧乏な松吉ファミリーが主人公の昔話。松吉ファミリーは、どんなにひもじい思いをしても、今生きていることを「ありがたい、ありがたい」って感謝し、楽しく生きています。例えば、ふとんが1枚しかなくても、「家族でひっついて寝られるから、幸せだねー。こんなに幸せなのは、貧乏神さんが我が家にいてくれるおかげ」と、神棚に貧乏神を祀るほどスーパーポジティブなんです。「人を貧乏にして苦しむ姿を見る」のが仕事の貧乏神は、自分の存在の意味について考え苦悩し、松吉を助けようと、強いもみがらを授けました。その年は飢饉で、松吉の家の穀物だけが、すくすくと育ちました。近所から妬まれ、そしられる松吉ファミリー。貧乏神は松吉を助けようとして、かえって苦しめてしまい、ますます悩みます。しかし松吉は、自分たちも餓死しそうなのに、ひとり息子も病気で死にそうなのに、災害に強いもみがらだから来年のもみ種に、と近所にお裾分けするんです。村人も心打たれてみんなで助け合い、なんとか苦難をのりきり、慎ましく生きられることに感謝し、村中で貧乏神をまつったというお話。
シンプルなお話だけど、生きていく上での心の葛藤も盛り込まれて、涙がにじみ出てくるお話でした。なかなか欲を捨てきれない私ですが、時々読みかえして、心を洗いたいと思っています。